――もとから対応していくにはどうするとよいですか?
志保先生:もとから対応していくという事ですと、目やにや中耳炎によくなるタイプもそうなのですが、膿を溜めこみやすいタイプですので、膿を溜めないような食養生や不要なものをため込まないように気をつけることが必要です。
アレルギー性鼻炎にかかりやすい体質として、もともと、赤ちゃんの時から消化器系つまり胃腸が弱い子が多いです。
食が細い、下痢しやすいなどの悩みがある子もいますが、胃腸が弱いかどうかは、赤ちゃんの時によだれが多いかどうかなんです。日本では、よだれが多いと元気な子だという昔からの言い伝えのようなものがありますが、中国ではよだれが多い場合は、脾胃(ひい)が弱いと考えます。
要するに、胃酸がたくさん出ていますので、口の周りがただれていたりいます。このようにアレルギーの子が「赤ちゃんの時はよだれが多かった。」と言うと、「脾虚症(ひきょしょう)」といって、元々、生まれもって胃腸が弱いと考えて、「脾」を補って内側から対応していきます。
また、活性力の不順ということでは、「腎虚(じんきょ)」「先天の精(せんてんのせい)」といって生まれもって生命力が強い子、弱い子がおり、小さい頃からのアレルギー、アトピーというのは、生まれもって虚弱体質と捉え、その体質を補うような漢方薬で対応していきます。
―― 今出ている状態ともとからの両方を考えて対応していくのですね。
志保先生:そうですね。そして、ゆくゆくは、一年を通してアレルギーが出なくなるようにしていきたいですよね。
鼻にずっと膿があるような状態ですと蓄膿になったり、頭が痛くなったりします。小さい子ですと、頭が痛いと訴えられませんので、いつも機嫌が悪くなったり、膿が溜まると記憶力が悪くなったりすることもありますよ。なので、小さいうちに中から対応してあげることが大切になってきますね。