――　すると、血圧が上がったり下がったりする方でも、漢方薬であれば下がり過ぎることがないのですね？

志保先生：そうですね。血圧に限らず、更年期の頃にいろいろな不定愁訴が出ていたら、「肝氣鬱血（かんきうっけつ）」といって、氣の滞りがあると考えられます。また老化による「腎虚」も考えねばなりません。

例えば、不安感があり情緒不安定で眠れない、というような状態も出ていたら、もしかして、氣が滞っていることが原因で、血圧も上がったり下がったりしていることも考えられます。

そんな時は、氣の滞りを巡らせるような漢方薬を持っていったりしますよ。

――　更年期には、不安定な状態がいろいろ出ることがあるのですね。

志保先生：そうですね。血圧が上がったり下がったり、落ち着かず不安定、というのは、更年期の頃に一番よく聞くご相談ですね。

女性ホルモンは必ず減っていきますので、更年期症状がひどい、ひどくないというのはストレスが大きいかどうかがかかわります。なので、とにかくストレスを溜めないようにすることです。

更年期は、皮膚病のように目に見えて分かる病氣ではありませんから、周りの人になかなか理解してもらえません。

なので、うつうつ、イライラする、体調が不安定になるなどのご自分の状態を家族の人に理解してもらうように話したり、少しでもストレスを緩和できるようなことをされてみたら良いと思いますよ。