2018/01/26

50歳くらいから耳鳴りが急にひどくなり、とてもつらいです。

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―― 本日のご相談は「50歳くらいから耳鳴りが急にひどくなり、とてもつらいです。」というものです。

志保先生:はい。耳鳴りは更年期の頃だけではなく、年配の方には多いお悩みだと思います。漢方では「腎(じん)」というところと耳は密接な関わりをしていて、中医学では「腎(じん)は耳に穴を開く」という言葉があります。

他にも「腎氣(じんき)は耳に通じ、腎(じん)和すればよく五音を聞く」というように、漢方でいう腎を強めてあげると良いでしょう。腎と耳は経絡が繋がっていまので、このような関係をもっています。

そして、漢方でいう腎(じん)は、腎臓だけではなくて、足腰を含め生殖器や脳、耳、骨、歯、なども司っています。例えば、足腰がだるくなるとか、精力減退、耳鳴りがするとか、難聴になる、忘れっぽくなるなど、

腎が司ってるものは年齢によって衰えてくるところばかりなんです。

ですから、中国では「腎虚(じんきょ)」は40歳を過ぎる頃から始まる、ということが養生法で言われていますので、補腎薬(ほじんやく)といって腎をサポートするようなものを父の日や母の日のプレゼントにするなど、長く飲む風習があるようです。

ただ、日本には腎虚(じんきょ)という考え方が無いので、ちょっとピンとこないかもしれませんね。

要するに、年齢による変化は40歳過ぎから始まって、補腎が対策になると思ってもらったらと思います。これは更年期に限りませんが、更年期の頃はどうしても体の中のバランスが崩れてきますので、いろいろなお悩みが出てきやすいです。

ご相談の方は更年期に伴って耳鳴りがするということですが、この耳鳴りはまず補腎することから始められてはいかがでしょうか。

この腎には、「腎陰虚(じんいんきょ)」と「腎陽虚(じんようきょ)」という大きく分けて2つのタイプがあるのですが、更年期の頃は「腎陰虚火旺(じんいんきょかおう)」という状態がとても多いです。

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