2017/12/27

もうすぐ50歳になる女性。最近すぐに泣いてしまい困っています。

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悲しいという感情について、漢方では「悲しめば氣が消える」、日本的な表現で言えば、「悲しくて生きる気力も無くなった」というようなこともありますが、悲しくなると氣を消耗してしまいます。

そのように悲しみが多ければ多いほど、氣が無くなってやる気がしない、そのように感情によって病氣になる事もありますが、内臓が病変して、その後に悲しみという症状が起こることも中にはあります。

例えば、「想う」「憂う」などに関しては、いろいろと考え事をして悩むと、胃腸の調子が悪くなりご飯が食べられなくなる人がいますよね。反対に、胃の調子が悪くてご飯が食べられないために、気持ちがパッとしない、元気が出ないということもありますね。

なのでこの「七情」という感情から病氣になることもあれば、病氣から感情がひどくなるということもあります。

―― 互いに影響し合っているのですね

志保先生:そうですね。ご相談者の方が、ちょっとしたことですぐ泣いてしまうというのは、もしかしたら環境の変化が原因かもしれません。更年期でなかったとしたら、若いころであれば平気な環境の変化でも、女性ホルモンが減ることによって、環境の変化がすごくストレスになって涙がポロポロで出るという状態なのかなと思います。

そこで、「どうしてこんなに涙が出て悲しいのだろう?」と思っても、それは女性ホルモンがなせるわざですから。そこは漢方的に自然なものでバランスを助けることができると思ってもらったら良いですね。

更年期の頃には色々な健康の悩みを抱えて皆さん漢方堂にいらっしゃるのですが、漢方は、更年期の期間中でもできるだけ健やかに過ごす手助けができるものと思っていただいたら良いかなと思います。

―― 年齢による体の変化に気づくことが大切なのですね。

志保先生:はい。女性ホルモンというのは、生理だけではなくて、骨からカルシウムが溶け出すことを防いでくれたり、コレステロールを下げたり、血圧を下げたりといろいろなことに関わっています。それこそ、脳の海馬という記憶を司るところにも女性ホルモンが関係しているということもわかっています。

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