もちろん心臓の異常で、例えば脈が飛ぶなどの不整脈や、狭心症で動悸(どうき)が起こることもあります。
でも、何かきっかけがあって胸がドキドキする、例えば電車に乗ったり高速道路に乗ったら胸が急にドキドキする、トンネルに入るとバクバクしてくる、というようなことは心の状態に関わっていますので、その場合は病院に行って心電図をとっても異常な波形は出ないと思います。
パニック発作の漢方の対応
――では、漢方ではどのように捉えるのでしょうか?
志保先生:漢方では、こうしたものも「動悸」の1つとして捉えて、原因を紐解いて漢方薬をお出しすることになりますね。
そしてパニックになる人は安定剤を持っていると落ち着く、というように気持ち的なものも多いです。電車に乗る前から「電車に乗ったら急にドキドキしてしまうのでは…どうしよう…」と思ってしまう方がいるので、漢方でも実感が早いものがあります。
そのような心を補ったり体の元気を補う「安神作用(あんしんさよう)」という働きのある漢方薬を、お守り代わりに持っている方もいます。実感が早いものを用いて、いざそのような状態が出た時に対応することもできますよ。