―― 本日のご相談は「冬より春のほうが、肩こりがひどくて困っています。」というものです。
志保先生:はい。冬よりも春のほうがひどいということですが、中医学の五行説(ごぎょうせつ) でいうと、春は、「肝(かん)」の季節です。
それぞれの臓器は、「木・火・土・金・水(もくかどごんすい)」という自然界の五つの相にあてはめられています。中医学では、これにもとづき、季節によって、対応した臓器に関わる病が増えると考えられています。
例えば、夏は「心(しん)」の季節ですが、夏になって汗をかくと血液の粘度が高くなって心筋梗塞や脳梗塞が増えたりします。そして、長い夏は「脾(ひ)」が弱ります。
熱い夏が長引くとあっさりした物が食べたくなって、そうめんばかり食べたりと、胃腸や脾臓が弱ってきます。長夏は「脾(ひ)」の季節です。
そして秋は「肺(はい)」の季節なのですが、風が冷たくなる頃に喘息が出たり、コンコンと咳き込んだりと肺の病気が増えます。
そして冬は「腎(じん)」の季節ですので、寒い冬になるとおしっこが近くなったり生命力が弱くなります。
このように季節と臓器は対応していまして、春は「肝(かん)」の季節と捉えます。
肩こりが起こりやすい人
そしてこの肝は「疏泄(そせつ)」を司っています。