これを「肝火上炎(かんかじょうえん)」といって、この漢字からみてもイライラカッカするイメージがすると思いますが、こうなるとさらに怒りっぽくなって、頭の中に熱感があって怒りが収まらないという状態になります。
そのような状態になると、耳鳴りがしたり、強い頭痛がする人もいます。こういう方の舌は、たいがい真っ赤になっています。このような火を焚いたような状態になりますと、すごくイライラして、ご自分では収まりがつかない状態になってしまうかもしれません。
他の原因としてカルシウム不足でイライラする場合があります。
キレる子がよく食べる三大食品として、ポテトチップスと甘い炭酸のジュースとカップ麺のようなものがあがりますが、このようにビタミンやミネラルやカルシウムの不足した食生活が続いてもイライラします。
忙しい時というのは、どうしてもお料理は手抜き料理になってしまいます。例えば、お惣菜を買ってきてテーブルに並べるだけの食事では、栄養が偏りがちになります。そうするとカルシウム不足、ビタミン不足、ミネラル不足になって、なおイライラしやすい体になります。
このような原因でイライラしていると考えられる時は天然のビタミンやミネラルのようなものを補充したり、カルシウムでも漢方では「牡蠣(ぼれい)」といって牡蠣の殻から取ったカルシウムがあります。
この「牡蠣(ぼれい)」ですが、漢方では重たい物で鎮めようという考え方がありますので、そのようなもので氣持ちを鎮めたり、有名な薬では「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」といって、牡蠣の殻が入ったイライラなど精神不安を落ち着かせる漢方薬があります。そのようにカルシウムでも何から取るかによって、イライラ感も変わってくると思います。
激しいイライラへの漢方の対応
―― 激しいイライラにはどう対応したらよいですか?
志保先生:そうですね。氣持ちのコントロールをしようとするだけでは難しいかなと思います。