もちろん、周りの方の協力が得られたり、子育てばかりではなく友達とランチに行くなどして楽しみの時間を増やしたりするのも1つの方法だと思いますが、なかなかそうもいかないと思います。
漢方的には「清肝瀉火(せいかんしゃか)」といって、肝の過剰な熱を落ち着かせる働きをするような漢方薬がありますので、そのようなもので熱感を抑えたり、「疏肝解鬱(そかんげうつ)」といって肝臓の氣の流れを整える働きをするような漢方薬を持っていったりします。
イライラを放っておかないことが大事
―― ご家族から「精神科に行けば」と言われた、という点についてはどう考えられますか?
志保先生:まあ、旦那さんも奥さんからイライラ、カッカと言われたら人間ですから喧嘩になると思います。
余程できた旦那さんであれば、その状態を理解して、「今、イライラしているんだな」と、そっとしておいてくれるかもしれませんが、若い者同士であれば喧嘩になってもしょうがないと思います。
そんな時は、イライラするのはその人の性質ではなくて、ちょっと病氣の状態だと思ってほしいですね。冷静な時に、「私は最近イライラして抑えきれない」という事を夫婦や家族の間で話しておくのも良いと思います。
それを自分の性格だとか思わずに、もしかしたら止められないほどのイライラは肝の病かもしれない、そのような病があるということをご理解いただいたら良いと思います。
激しいイライラを性格だと思って放っておかない事ですね。漢方でいろいろな対応ができるという事を知っておいていただきたいと思います。