―― 本日のご相談は「喘息ですが妊娠を考えています。どんな事に気を付けたら良いですか?」というものです。
志保先生:はい。喘息に限らず持病がある方からは、例えば「病院の先生から“この薬を飲んでいるから妊娠はちょっと控えて下さい”と言われていて、どうすれば良いのか?」というご相談をよく受けます。
女性がとても氣にするのは、服用しているお薬のことだろうと思います。今飲んでいる喘息の発作を抑えるお薬などが、「赤ちゃんに大丈夫かしら?」と一番不安に思うのではないでしょうか。
妊娠しているかどうか分からない初期の段階が、人間の細胞を一番増殖させる時期なので、この初期段階の妊娠2か月から4か月の間が一番お薬の影響を受けやすいのは事実です。ですから妊娠中の薬の服用について神経質になるのはわかります。
ご相談の方は、喘息の発作を抑えるために吸入ステロイドをお使いになっているかもしれませんが、基本的に喘息の薬は、抗アレルギー薬以外は、「催奇形性(さいきけいせい)」は無いとされていますので、普通に病院で処方されます。
妊娠中に喘息になると何が心配かというと、喘息の発作で呼吸困難になるので酸欠状態になります。すると、赤ちゃんにはお母さんの酸素がいっていますので、赤ちゃんも酸欠状態になり、例えば、低体重児が生まれたりしますので、病院では酸欠状態を心配します。
基本的に喘息の方は、寒いと感じたり、風邪を引くと発作が出ますので、体を冷やさないようにしたり、風邪をひかないようにする予防はとても大事だと思います。喘息の発作が起きにくい体に整えるということが大事なんですね
喘息の方の妊娠への漢方の対応
―― 喘息の方の妊娠について、西洋医学と漢方では違った対応があるのでしょうか?
西洋医学では、発作が出ないようにする予防の現代薬が出ると思います。これはあくまでも喘息を治すものというよりも発作を起きにくくする対症療法です。