2017/10/15

首のアトピーが残ってしまうのですが、どうしてでしょうか?

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━━今回のご相談は「首のアトピーが残ってしまうのですが、どうしてでしょうか?」というものです。

志保先生:はい。もしかしたらその方は、首の状態がひどくて、首をよく触るのかもしれません。ニキビなどでもそうなのですが、触ってつぶしてみたりと、人間はどうしても状態のひどいところに手が行きますよね。

首がひどければ、首の部分に手が行く、それが癖になっているのかもしれません。私がアトピーの方を観察していると、どうもなっていないのにかいていたりと、かくことが癖になっている方も多いような気がします。

そして、アトピーの方は、肘や膝、首など折れ曲がる部分の風が当たりにくいところに、黒ずみが最後に残ることが多いです。関節の折れ曲がる部分は湿気が溜まりやすく、このジュクジュクした状態のアトピーは「湿熱」と言いますが、残ってしまいがちかもしれません。

このような場合、漢方的には熱を取って不要な水を掃くようなものを使っていただきますが、風通しの悪いところは、どうしても最後まで残りやすいかと思います。

━━そうなんですね。

志保先生:今までの経験から、全身の場合は、上の方からスッキリする方が多いように思います。それから段々と下の方へと下っていって、そして最後に残るのが肘、膝、首などの折れ曲がって風通しの悪いところになるように思えます。

ステロイドをぬっていた所の意識

 

━━薬を体のどこも同じようにぬっていくと、そこだけ残ってしまうということなのですね。

志保先生:はい。首など体の前の部分というのは、背中などと比べれば手が届きやすいのでぬりやすいと思います。

アトピーの方は、体の後ろ側よりも前側にたくさんステロイド等をぬっていますので、ぬっている所ほど皮膚が委縮してシワっぽくなったり、ごわごわしたりと、むしろ逆効果ではないかと思ってしまうことがあります。

ご相談の方の状態がもし首だけということであれば、最初から首だけにステロイドをぬっていたという可能性もありますね。

━━例えば、これは太陽に当たることも関係がありますか?

志保先生:そのようなことも関係することもあります。でも、顔も太陽に当たりますから何ともいえないですが、顔には出ずに、首にだけ出るという方もいますので。しかし日光アレルギーであれば、その場合は顔にも出てくると思います。

━━では、首だけ変わりがないという場合は、やはり首に特有の状態が起こっているということでしょうか。

志保先生:そうですね。首のアトピーがひどくてよく触ったりしますと、皮膚が弱くなっている部位はブドウ球菌などの菌が繁殖しやすくなります。菌が発生すると、いつまでもそのままになってしまいますので、首をいつも清潔にしておくということも対策の1つだと思います。

━━アトピーの場合は、シャワーやお風呂に入った時など、どのように汗を流せば良いのでしょうか?

志保先生:まずはいつも清潔にしておくということ!シャワーはしょっちゅう浴びてもいいですが、洗浄する際には、化学的なものが入っていない石鹸を使用すること。ゴシゴシとこするのではなく、泡で包み込むように洗って流すという方法で洗っていただくと良いと思います。

お湯の温度はぬるめにして、体温との温度差を作らないことがかゆみを呼ばないコツです。よく掻いてしまう方は、爪を短く切って清潔にしておくことも大事ですね。

それから、外出した時は、抗菌効果がありお肌を守る漢方のスプレーなどを持ち歩いていただいたりしています。清潔にすることがアトピー対策には必須です。

━━なるほど。西洋薬とは違うものがあるのですね。

志保先生:はい。西洋薬ではステロイドと抗ヒスタミン軟膏、保湿薬であるワセリンくらいしかぬり薬は無いと思います。そのようなものだけでは、黒ずみはいつまで経っても変わらないと思います。

最後に黒ずみだけが残っている場合ですが、漢方では黒ずみを「瘀血(おけつ)」といって、血液の滞りと考えます。かゆみが無ければ巡りを促す活血薬、巡りを促す漢方で働きかけていくと、スッキリとなっていきます。

━━悩んでいる方は本当に多いですよね。

志保先生:そうですね。正常な皮膚になれば、必ず表皮は28日に1回生まれ変わります。ですから必ずきれいな皮膚になっていきますが、皮膚の悩みの対策には根気がいります。年単位で考えていただかなければなりませんが、どんなにひどいアトピーでもあきらめずに頑張ってみるといいですよ。

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