志保先生:女性ホルモンを補充して、お薬で月経を起こします。ただ、多嚢胞性卵巣症候群で小さな卵がいっぱいできる人などは、排卵誘発剤を使うと、すべての卵が大きくなりますので、卵巣が腫れてしまったり、腹水が溜まってしまう方も中にはいらっしゃいます。
しかし、そのようなことは、西洋医学ではあまり重要視しないというか、卵さえ取れて、お腹に戻せばよいという病院もあります。
しかし、私は、母体が弱っている状態では、着床するのはとても難しいと考えていますので、排卵障害がある点に注目して、体を整えることから始めるほうが母体のためにも良いのではないかと思っています。
通院しながら使えるのが漢方
―― ご相談の方の場合、漢方から始めるのと、漢方を併用するのと、どちらが良いと思いますか?
志保先生:併用されたら良いと思います。まったく生理が無い人は、漢方薬で生理が来たと実感するのが早い方もいらっしゃいますが、なかなか生理がこない方もいらっしゃいます。
そうすると内膜が分厚くなり、その重みでもって子宮が大きくなるということがありますので、あまりにも生理がこないと子宮が委縮してしまうことも考えられますので、漢方を併用しながら、うちでは4か月に一度、西洋医薬によるホルモン治療で生理を起こさせてはとアドバイスさせていただいています。
体を補いながら、産婦人科で治療をするという方法をすると、体のすみずみまで漢方薬という栄養がいきますので、ホルモン療法のみよりも、期待できるのではないかと思います。
漢方の対応
―― 漢方ではどのような対応になりますか?