―― 本日のご相談は「ずっと避妊をしていましたが、34歳になって避妊を止めても妊娠しないので焦ってきました」というものです。
志保先生:はい。よくある話ですね。ちょうど仕事が面白くなってきた30代半ばくらいまで避妊していたというような。
子供というのはいつでもできると思っている方が多いように思いますが、前にもお話したことがあると思いますが、30歳を過ぎると徐々に妊娠率や出産率が減少して、35歳過ぎたらさらに減少し、40歳過ぎですとガタっと妊娠率が低下します。
その事実を知っていれば避妊はしなかったかもしれませんが、結婚の高年齢化に伴い、結婚後も2人だけの時間が欲しいということで、年齢が高くなるまで避妊しているご夫婦がいらっしゃいます。
なかなか妊娠しないのであれば、まずは検査から始めることをお勧めします。もしかしたら、卵管が詰まっていたり、男性に精子が1匹もいない無精子症であれば、いくらタイミングをとって頑張ってみても子供ができないということがあります。なので、まずは検査に行かれることが良いと思います。
若いうちは避妊することも大事ですけれど、私は30歳を過ぎたら妊娠率が下がるということを学校の性教育で教えるべきだと思います。そうしないと、このようなことが起こってしまいますよね。
―― ご相談の方の34歳という年齢は、どのように考えたら良いですか?
志保先生:34歳であれば、子供ができにくい方もいらっしゃると思います。何も問題が無いのにできないという方もいます。
何も問題がない方で、ホルモンの状態がよければ、中には40歳を過ぎても避妊を止めてすぐにできることもあります。
でも、やはり30歳を過ぎると少しずつ妊娠率が低下するように、34歳であれば、卵の質が衰えているだとか、内膜が薄くなっていたりだとか、男性の精子の量が若い時より減っているだとか、何かしら不調があるかもしれませんね。