2017/11/27

みんなが涼しい顔をしている時に、私だけ赤い顔をしていて恥ずかしいです。

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――今回のご相談は「みんなが涼しい顔をしている時に、私だけ赤い顔をしていて恥ずかしいです。」というお悩みです。

志保先生:はい。このような状態はよくいわゆる「更年期」に差しかかると起こる人が多いですね。「まわりの皆さんが涼しい顔をしているのに、自分だけ顔がポッポと火照って真っ赤になるんです。」と言われる方が多いです。

更年期の頃になると「陰虚(いんきょ)」といいますが、体を潤す陰液(いんえき)という液が消耗していって、体に熱がこもってほっぺがポッポと熱くなるんです。もちろんホルモンのバランスの崩れも関係しています。

それと、脳の間脳に「視床下部(ししょうかぶ)」というところから、体温中枢、ホルモン中枢などすべての自律神経の中枢に命令が出ているのですが、更年期の頃には子宮や卵巣が動かなくなりますので、脳からもっとホルモンを出しなさいという命令が出ます。

それでLH(エル・エイチ 黄体刺激ホルモン)やFSH(エフ・エス・エイチ 卵胞刺激ホルモン)という女性ホルモンの数値が上がってくると体温調節が崩れます。熱さ寒さの調節が崩れて、顔が火照る、変な汗をかく、などといったことがよく起こるようになります。

 熱がこもってしまう原因は

――体温調節が崩れると熱がこもってしまうのはどうしてですか?

志保先生:熱がこもってしまうのは、「陰虚(いんきょ)」といって、体を潤す成分が無いために、お鍋にグラグラと火を焚いた感じになるからです。水分は蒸発してしまって熱だけがこもるというような状態が起こっています。お水が干上がった状態なので外に出られないんです。

もう一つ老化に関係するのが「腎」。中医学でいうこの「腎(じん)」は、腎臓だけではなくてホルモン調整や水分代謝の調整なども司っていますので、更年期の頃は補腎(ほじん)薬で補腎すると同時に、「補陰(ほいん)薬」といって体を潤す漢方、体の上の方にこもった熱を下の方に下げるようなものをもっていきます。

 熱のこもる顔、漢方の対応は

――顔が赤くなって熱がこもるという状態は、病院ではどういう対応になりますか?

志保先生:そうですね。更年期の頃であれば、内科や婦人科に行かれることが多いと思います。若い方でも顔が火照ったり赤くなる方がいらっしゃいますが、そのような方でも内科のようなところに行って相談されるのではないでしょうか。それで、取り立てて何か薬があるのかと言われれば無いようです。

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