―― 本日のご相談は「アレルギー性鼻炎から蓄膿症(ちくのうしょう)になってしまい、ずっと続いています。」というものです。
志保先生:鼻炎をもともとお持ちで、多分、それが長い間、慢性化したために、しょっちゅう鼻に膿(うみ)が溜まったような状態だと思います。
副鼻腔(ふくびくう)は鼻腔(びくう)と細い通路でつながっています。
特に、アレルギー性鼻炎がありますと鼻の粘膜も腫れますので、粘膜が腫れたうえに副鼻腔に炎症が起こり、膿が溜まって鼻が詰まります。
これが、膿が外に出ていく道が塞がって、蓄膿症(ちくのうしょう)になってしまった状態です。
蓄膿症の原因は
―― 蓄膿症になってしまったのは、鼻炎が原因でしょうか?
志保先生:鼻炎も原因の1つとして考えられますが、副鼻腔(ふくびくう)は細菌が繁殖しやすい場所でもあります。
誰でも1度くらいご経験があるかもしれませんが、風邪を引いて鼻が詰まり出すと、そこに細菌が繁殖して、急性副鼻腔炎(きゅうせいふくびくうえん)といって、鼻の周りや顔面や頭が痛くなることがあります。
そんな時は、急性のものなので抗生剤を飲むような対応になると思いますが、そのように細菌がとても繁殖しやすい場所ですので、風邪を引いた後に鼻づまりが長引き、蓄膿症(ちくのうしょう)になることもあります。