志保先生:そうですね。通年で鼻炎になっている方は、結構、鼻づまりになっている方もいます。水のような鼻水とは違って鼻づまりは炎症症状ですので、鼻の炎症を緩和したり、鼻の膿をはくような、まったく逆の漢方薬をもっていきます。
ですから、あまり考えずに花粉症の漢方薬を手に取ると、逆療法になってしまうこともあると思います。
漢方の場合は、「同病異治(どうびょういち)」と言って同じ病名でも違う漢方薬が出たり、「異病同治(いびょうどうち)」と言って違う病名でも同じ漢方薬が出たりします。
それはなぜかというと、漢方でいうところの「証(しょう)」、個人個人の体質や症状によって漢方薬を出すのでそのようなことになります。同じ病気でもタイプによって漢方薬は変わってきますよ。
―― タイプを知ることが大切なんですね。
志保先生:そうですね。本当によく鼻水が出る方は、鼻にティッシュを詰めておきたいというくらいのお客様がいらっしゃいます。
そのような場合は、体を温めてあげて、鼻水が止まったり、体の中から元氣にしてあげたりすると良いと思います。
粘膜は「氣(き)」というところが司っているのですが、「衛氣(えいき)」というものを高めてあげると、体の中から元氣になって、鼻水を止めるような効果がありますよ。
―― 西洋医薬を使うと口がカラカラになりやすいのですか?
志保先生:一般的に第一世代と言われる抗ヒスタミン薬は眠気や口喝という副作用があります。そのような副作用の少ない第二世代抗ヒスタミン薬もありますが、鼻炎の症状緩和に強い作用があるのは、副作用を伴う第一世代抗ヒスタミン薬かもしれませんね。
他にのどの乾く原因として、鼻水が出る、鼻が詰まるので、口呼吸になっている可能性もありますよね。口呼吸をすると、どうしても口が開きますので口の中が乾きやすくなります。