2018/03/08

最近、何でもない時によく吐き気がします。

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―― 本日のご相談は「最近、何でもない時によく吐き気がします。」というものです。

志保先生:そうですね。ご相談者にもっと詳しく状態を聞いてみなければ分かりませんが、吐き気としてかかわりのある臓器としては、漢方でいう「肝(かん)」または、「脾胃(ひい)」が考えられます。

例えば、「肝」の異常で吐き気がするタイプですと、「肝」は疏泄(そせつ)を司(つかさど)っていますので、ストレスが多くて肝の氣の流通が滞りますと、「胸脇苦満(きょうきょうくまん)」といって、氣が滞ってみぞおちから脇腹の辺りが張ってきたり、のどのあたりがつっかえた感じがしたり、という状態が現れるかもしれません。

そこに飲食の不養生などが加わった場合、肝と胆が炎症を起こして、水はけが悪い上に熱がこもる「湿熱(しつねつ)」という状態になると吐き気がしてきます。

他にも急性肝炎や胆のう炎、胆石などいろいろな病氣でも吐き気が起こりますので、この方からもっと詳しく状態を聞いてみないと分かりませんが、最初にお話ししたようにストレスで肝の氣が停滞することが引き金になっても吐き気が起こることがあります。

 脾胃(ひい)からくる吐き気

あとは、いちばん起こりやすいのは脾胃(ひい)からくる吐き気です。吐き気というと胃腸と関係があるのではないかとイメージしやすいと思います。

ストレスを受けやすい方は、胃の不快を訴えることが多いです。例えば、ストレスが多いと潰瘍ができたり、胃酸過多になる、げっぷがよく出るということはお聞きになったことがあると思います。

実際、漢方堂のお客様でも胃が虚弱な方は、ストレスがあると直ぐに胃が痛くなる、食欲がなくなる、などとおっしゃることが多いです。

胃というものには「受納、降濁作用(じゅのう、こうだくさよう)」があります。「受納(じゅのう)」というのは食べたものを胃にためて消化すること、「降濁(こうだく)」というのは、食べたものを上から下へ送ることです。

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