―― 本日のご相談は「幼児の頃から喘息です。コーヒーが好きなのですが、カフェインは喘息に悪いですか?」というものです。
志保先生:カフェインはコーヒーだけではなく、緑茶やウーロン茶、紅茶、あとは栄養ドリンクなどにも入っています。チョコレート、風邪薬、鎮痛薬にも入っていることがありますよね。カフェインはかなりいろいろなものに入っています。
このカフェインの効果ですが、薬学的に言いますと、覚醒作用(かくせいさよう)といって眠れなくする作用ですね。あとは、解熱鎮痛作用(げねつちんつうさよう)、強心作用(きょうしんさよう)、利尿作用などがありますね。
喘息は気管支が収縮して咳が出るわけですが、喘息の薬というのは気管支拡張剤といって、薬学的には、気管支を拡張させるような薬が出ます。カフェインの効果としては、気管支に何か直接影響を与えるようなものは実際にはあまり無いですね。
気管支拡張剤としてはテオフィリンというものがよく使用されています。これは気管支を拡張して咳を止める薬ですが、コーヒーに含まれるカフェインは、このテオフィリンによく似た構造骨格を持っています。
テオフィリンには気管支を拡張して炎症を抑えるというような効果があるので、コーヒー自体の直接の影響についてはそこまで気になさらなくてよいと思います。
しかし、中医学的には食べ物には熱性の食べ物と平性の食べ物と涼性、寒性の食べ物があります。
例えば、カブやニンジンなどの根っこの食べ物は、体を温める食べ物なのですが、コーヒーなどのカフェイン類というのは、どちらかというと涼性の食べ物に属します。
そういう意味では、多少なりとも体を冷やす効果がありますので、よく咳が出たりする人は、あまり飲み過ぎることは注意が必要です。
でも、コーヒーなどにはリラックスさせる効果もありますので、1日1杯など、たくさん飲むようなことが無ければ、喘息の方がコーヒーについてあまり気にされなくてもよいと思います。
あなたが胃が弱いなら
―― ホットコーヒーを寒い時に飲むと温まるようなイメージですけれど、そういうことではないのですね。