―― 本日のご相談は「うつ病で治療中ですが、甘いものをすごく食べてしまい止まりません」というものです。志保先生:はい。ご相談者の方だけではなくて、女性で甘いものがやめられないという方が漢方堂にもご相談に来られます。
注意が必要なのは、うつ病だけでなく糖尿病という病気です。甘いものを食べたいということが糖尿病という病気なんです。
甘いものを食べると血糖値が急激に上昇し、血糖値を下げる働きを持つインシュリンが大量に分泌され、血糖値が急低下して「低血糖」を起こします。その時に無性に甘いものを食べたくなります。
甘いものをやめようとしてもやめられないわけですから、これは、血糖の急激な上昇と下降を繰り返しています。ですからこの甘い物を急激な血糖上昇をしないおやつに変えるというのも一つの方法です。
また、甘いものは噛まずにすぐ身体の中にはいってしまうものが多いですが、よく口の中で噛むというのも血糖値があがりにくい方法一つです。
そして、甘いものをとりたいというのは、うつ病にとって悪循環なんです。なぜかといえば、甘いものをたくさんとり過ぎると血液が酸性に傾きますので、骨からカルシウムが溶け出すような状態になってしまいます。
その上、糖分の分解には新陳代謝に必要なビタミンBが必要なため、ビタミンB不足も引き起こします。ビタミンBの不足は疲れやすい状態を引き起こしますので、やる気のない状態には悪循環ですよね。
カルシウムというのは、歯や骨の中に多く含まれていますが、神経や筋肉の収縮にまで関わってきます。なので、甘いものの取り過ぎはカルシウム不足を起こして、うつや、イライラという症状を起こす悪循環に陥ってしまいます。
漢方の対応は
そこで未病のうちに、「ちょっと甘いものを取り過ぎているな、どうやったらやめられるかな」と思った時に、血糖値が上がっているということは血液がドロドロした状態ですので、漢方では活血薬といって、瘀血(おけつ)をとるような漢方を飲まれたり、糖尿病の方向けに作られた食品などを取り入れたら良いと思います。