2017/10/25

うつ状態の人に不足しがちな栄養はありますか?

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━━本日のご相談は「うつ状態の人に不足しがちな栄養はありますか?」というものです。

志保先生:はい。心のバランスがとれていない人は、カルシウムが不足しがちと言われます。東洋医学の観点では、カルシウムは牛乳から取るよりも、小エビや小魚などから取るのが良いと思います。

小エビや小魚は「一物全体食(いちもつぜんたいしょく)」といって、目や骨や内臓など全ての身体ができるようにビタミン、ミネラルが含まれていますので、このようなものから取ることをお勧めします。

そして、血液不足でうつ状態になる、というお話をほかのご相談の時にもしましたが、血液が足りなくて鉄分を取りたいと思った時に、鉄のサプリを摂る方がいらっしゃると思います。ところが、鉄は鉄とマグネシウムを2対1の割合で取らないと吸収が悪いのです。

ひじきは鉄分の王様ですが、鉄分とマグネシウムが約2対1の割合で入っています。これが食のすごいところです。やはり、食で栄養を摂ることをお勧めしたいですね。ですから、単品サプリはあまりおすすめしません。ビタミン、ミネラルをバランス良く取ることが重要になってきます。

ここで少し補足しておきたいのは、「貧血」と「血虚(けっきょ)」の違いです。貧血は本当に鉄分が少なく血液が薄いような状態。漢方でいう血虚(けっきょ)という状態は血液が少ない状態です。体の元気がない時は身体を補うのにたっぷりの血液が必要です。ですから食はとても重要になってきます。

 

━━食べ物で摂ることとサプリで摂ることの違いはどんなところでしょうか?

志保先生:総合ビタミン剤というものがありますよね。総合と称される意味は何かといえば、3種類以上のビタミンが入れば総合ということになります。しかし、体に必要なビタミンは3種類以上ありますし、ミネラルもとても必要になります。

例えば、ミネラルの桶(おけ)をイメージしてもらうとよいですが、この桶は、いろいろなミネラルがバランス良く入っていないと水が溜まっていきません。

 

人間の歯に起因する良い食べ方

 

━━なるほど。

志保先生:うつ状態の人に限らず、どんな人にでも良い食べ方があるのですが、これは人間の歯に起因しています。

例えば犬やライオンなどの肉食動物は、犬歯(けんし)といって尖った歯しか持っていません。この尖った歯は肉をかむ歯です。人間はというと犬歯が4本ありますね。そして、草食動物の牛は切歯(せっし)で草をむしゃむしゃと食べます。切歯は人間には8本あります。

ということは、犬歯という肉を食べる歯が4本、切歯という草を食べる歯が8本なので、お肉を1食べたら野菜を2食べるとよい、ということになります。でも、食卓を見るとお肉が2で野菜が1の場合の方が逆に多いのではないでしょうか。外食してもそうだと思います。野菜は0.5くらいになっているかもしれません。

 

━━意識しないと、そうなりがちですね。

志保先生:そしてもう1つ大事な歯があります。特に日本人は五穀豊穣といって雑穀米を食べてきた民族ですので、臼(うす)のような臼歯(きゅうし)が16本あります。ということは、お肉と野菜と穀物を1対2対4の割合で食べると良いことになります。

ここで、ご飯を白米にしてしまうとビタミン、ミネラルを削ぎ取ってしまうので、できれば5分づきや7分づき、白米でもそこに雑穀米を入れたりして、ご飯1杯でもそこからミネラルが取れるようにして、ご飯をお食べになったら良いと思います。

 

━━うつ状態の方はビタミン、ミネラルの摂取に気をつけると良いのですね。

志保先生:そうですね。特にカルシウムをしっかり摂取していただきたいと思います。

ちりめんじゃこをご飯に振りかけて食べてください。そしてカルシウムを摂ろうとして、牛乳やヨーグルトなど脂肪分が多いものを食べてしまうと、今度は脂肪を分解する方に体はエネルギーを使わなければなりません。

うつ状態の方は、基本、「氣虚(ききょ)」といって元氣が無いですので、脂肪分の消化には大変エネルギーを使います。食べるには胃腸が働いてエネルギーを使わなければなりません。なので、なるべく小エビや小魚をお取りになると良いと思います。そして偏った食事ではなく、タンパク質と糖質とビタミン・ミネラルをバランスよく摂ることを心がけてみて下さい。

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