ピーピーやシャーシャーの下痢でお腹が痛くなってトイレに行くレベルですと、そのままだととても不便だと思いますよ。
漢方の考え方
―― 生理の時の下痢というのは、漢方で対応ができますか?
志保先生:はい。このような方は、もともと「脾氣虚(ひききょ)」といって脾胃(ひい)の元氣不足です。ふつうは生理中に下痢をしない人の方が多いわけですから。
この氣というものは、様々な働きをしますが、氣の一つの作用に「固摂作用(こせつさよう)」というものがあります。
水道の蛇口をキュっと閉める作用を持っています。要するに、血液や汗、尿、大便などが体の外に漏れだすのを防ぐ働きです。氣が足りていないと閉められないために、垂れ流すような状態になります。生理で出血して、お尻からは食べたものが抜けていくイメージですね。
脾(ひ)は胃腸のことを表すのですが、「脾氣虚(ひききょ)」といって、生理中に下痢をする方は、もともと脾胃(ひい)が弱いタイプなのだと思いますね。
そういう時は、「補氣薬(ほきやく)」といって、胃腸の氣を補う漢方薬を持っていきます。
また、便がお水のような場合は「健脾利湿(けんぴりしつ)」といって、脾胃(ひい)の働きをサポートして不要な水をはくような漢方薬を持っていったりしますよ。
ふだんから氣をつけよう
―― もともと体の弱いところに不調が出て、下痢になっているのですね。