この疏泄(そせつ)作用がうまくいかないと、血液がうっ滞して大脳の働きも不安定になります。
そこで肝の疏泄を助けるような漢方薬や、あまりにのぼせや目の充血といった熱感がある場合は、肝の熱を冷ますというような漢方薬をもっていきます。
このように語っている私もイライラする時は漢方薬を飲むんですよ。
実は若い時はけっこう短氣でしたから、この漢方を飲むのと飲まないのでは子供の怒り方が違いましたので、大好きな漢方のひとつです。
ご夫婦ですと、奥さんがどのくらいイライラしているのか、旦那さんが一番知っておられると思うのですが、奥様が漢方薬に助けられて、ご主人様が「あのイライラはどこに行ったのでしょう」と言われた方がいましたよ。
漢方薬でもイライラが治まるのですが、たとえば職場の環境のようなストレスの根本的なものはなかなか変わりませんので、相談漢方薬局でアドバイスしてもらって、少しでもプラスの考え方に変えられるような努力も必要ではないかと思います。
―― 漢方薬局にご相談に行かれたら、ご自分の気持ちの面も聞いてもらいながら、漢方でも対応いただけるのですね。
志保先生:そうですね。すべての漢方薬局がそうではないかもしれませんが、長い間続いている相談漢方薬局というのは、ほとんどの先生がそのような氣持ちで相談を受けていると思いますよ。なぜなら心と身体は一体ですから、病だけみていても病氣は治りません。
私はいつも、心と体の両方にご対応させていただくように心がけています。