2018/04/20

疲れているのに布団に入っても寝付けず、朝まで起きていることもあり苦しいです。

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―― 本日のご相談は「とても疲れているのですが、布団に入ってもなかなか寝付けず朝まで起きていることもあり苦しいです。」という更年期の方からのご相談です。

志保先生:はい。これは更年期に限らず、体が疲れ過ぎて眠れないという方がいらっしゃいます。

不眠にもいろいろなタイプがありまして、疲れているから眠れるというものでもなくて、あまりにも疲れていると人間の体は眠れないことがあります。

これは、心にはたっぷりと栄養や血液が無いと安心ができないからです。

「心血虚(しんけっきょ)」という心の血液不足ですと、不安感や動悸があったり、眠れなくなったりという症状が起こります。

この方は更年期ですので、更年期になる仕組みとしましては、脳の間脳、下垂体、視床下部からホルモンや自律神経がいろいろと調節されているのですが、その中に睡眠中枢もあるのです。

更年期になると女性ホルモンが低下し、卵巣が動かなくなるので、「もっとホルモンを出しなさい。もっと働きなさい」と脳から命令が行くために、分かりやすくいうと脳がオーバーヒートしてしまい、間脳が支配する睡眠中枢や食欲中枢など、自律神経を調節する中枢が崩れてくるのです

そうすると、眠れないという状態が出てきます。この方の場合、漢方でいう「虚証(きょしょう)」と、ホルモンからくる自律神経の乱れの両方の局面が考えられると思います。

 寝付けない時の漢方の対応

―― 寝付けない場合、漢方ではどのような対応が考えられますか?

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