2018/06/21

大人になってから、牛乳を飲むとお腹を壊してしまうようになりました。

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―― 本日のご相談は「大人になってから、牛乳を飲むとお腹を壊してしまうようになりました。」というものです。

志保先生:はい。牛乳でお腹を下したり、年配の方は牛乳を飲むと便秘に効くと言う方がいますが、この原因は牛乳の中に入っている乳糖という糖のせいです。

乳糖はサプリメントの賦形剤(ふけいざい)にも入っていることがあるのですが、乳糖に敏感な方は、このようなサプリを飲むだけで下痢をするという方もいます。

この乳糖という牛乳に入っている糖は、乳糖分解酵素「ラクターゼ」というものによって、「グルコース」「ガラクトース」という分子に分解されます。この酵素の量が少ないと、このような事が起こります。

乳糖を消化することが出来ないと、お腹がゴロゴロとする状態になります。この乳糖は、母乳や牛のお乳にたくさん含有されているため、赤ちゃんの頃には必然的にこの乳糖分解酵素が多いのです。

母乳を飲んでも赤ちゃんが下痢をしないのは、小さい頃は、脳の栄養のために乳糖が必要でそのようなしくみになっているからです。小さい頃は、乳糖を分解するラクターゼという酵素がとても多いのですが、大人には不必要ですので少なくなっていきます。

特に、日本人は農耕民族で、牛乳を取ってこなかった民族ですので、ニュージーランドなどの牛乳をたくさん取る国と比べたら、「乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)」といって、乳糖を分解できない人が多いのです。

無理に飲まずに他の方法で

1970年頃に調べたデータによると、乳糖不耐症、乳糖を分解できない人がとても多かったようです。しかし、今は食事が欧米化してきていますので、これは私の予測ですが、乳糖不耐症の人が少なくなってきているのではないかと思います。

食事が変われば、体の中も進化していきます。ですが、酵素がないとピーピー下痢をするということは基本的に治ることはないですので、牛乳は控えるしかないと思います。

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