―― 本日のご相談は「暑いと、とにかくイライラしてしまいます。何とかしたいです。」というものです。
志保先生:暑くて湿気が多いと、何となくどんよりした氣分になりますよね。普通の人でも、暑いと疲れやすいですし、イラっとすることがあると思います。
この方は、とにかくイライラするということで、病的にイライラしているのでしょうね。
暑さとイライラの関係
―― 暑いとだるくなったりしますが、イライラというのは暑さと関係あるのですか?
志保先生:暑さと関係ありますね。すごく怒りっぽくなる証の方では、「肝火上炎(かんかじょうえん)」といって、読んで字のごとくですが、火がぼうぼうと燃え盛ったイメージですね。ですから、熱感があるような状態ですと、すごく怒りっぽくイライラします。
その前には「肝氣鬱血(かんきうっけつ)」といって、氣が滞る状態になります。この氣が滞った状態が長引いたり、激しいストレスに襲われたりすると、さきほどの「肝火上炎(かんかじょうえん)」になるんです。
―― 暑いと、いつもより怒りっぽくなってしまう方もいるのですね。
志保先生:熱感がひどい状態というのは、怒りっぽくなったり、不眠や、顔や手足が火照る、布団から手を放り出さないと眠れない、目が充血する、女性であれば月経が多い、出血が多い、便秘する、中には鼻血が出るという方もいます。
また、血圧が高い方も「肝火上炎(かんかじょうえん)」タイプには多いですね。やはり、怒ると血圧が高くなりますので、そんな状態があれば、典型的な「肝火上炎」タイプだと思いますよ。
「肝火上炎」タイプへの漢方の対応
―― このような方に向いた漢方の対応は、どのようなものですか?