2017/10/23

50代になってダイエットしているのですが、全然やせずに困っています。

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━━今回のご相談は「50代になってダイエットしているのですが、全然やせずに困っています。」というものです。

志保先生:はい。更年にさしかかった女性はどうしても体の中のバランスを崩しがちです。たとえば女性ホルモンは、内臓脂肪などの脂肪の分解促進に関わってきます。

女性ホルモンは月経周期だけに関係していると思っている方が多いですが、それだけではなく、お肌を潤わせたり、骨粗しょう症の予防になったり、脳の海馬という記憶を司る部分にも女性ホルモンが密接に関わっていることが分かっています。

ですから、女性ホルモンが減り始めると、骨からカルシウムが溶け出して骨粗しょう症になりやすかったりします。また、女性の方が痴呆症の割合が高いということも女性ホルモンに起因しているのではないかという説もあります。閉経後の女性は男性よりも女性ホルモンが少ないためです。

その上、女性ホルモンが減ることによって、脂肪の分解がだんだんとできなくなってくるのが、やせにくくなる原因です。

 

女性ホルモンについて、西洋医学と漢方の考え方の違いはどんなところですか?

志保先生:そうですね。西洋医学的には更年の女性にはいろいろな悩みが出てきて病院で診てもらうと、月経が上がる頃であれば女性ホルモンが処方されることが多いです。しかし、この処方は乳がんのリスクを高めます。

もちろん女性ホルモンはすごく効いて、ホットフラッシュといって急にのぼせたり、変な汗をかくことがピタッと止まり不快な症状が無くなったりすることがあるでしょう。

ただ、乳がんのリスクはなるべく避けたいわけですから、やせにくいという理由だけで女性ホルモンを飲むことはお勧めしません。

漢方の場合は、天然、自然のもので身体に働きかけるようにします。年齢と共に出てくる様々な女性の悩みは、お悩み別に漢方をお出しします。例えばホットフラッシュや冷えのぼせには、上昇した熱を冷ます漢方を、汗がたらたら出る場合は、固摂作用(こせつさよう)のある汗止めに使われる漢方をお出しします。

また、体の中のバランスを整えるための漢方をベースに飲んでいただくと良いかもしれません。

 

更年の女性のダイエットの考え方

 

━━50代のダイエットは、どう考えれば良いですか?

志保先生:やせにくい理由も様々です。血行が悪くなると、血液が停滞して、脂肪分がとけにくくなります。そんな場合は活血薬(めぐりを良くする漢方薬)を。また、ストレスが多く氣が滞ることにより、やけ食いをするようなタイプには、氣を巡らせる漢方薬を。

食べないという無理なダイエットをするのではなく、体質に合わせて更年の悩みも緩和し、体調も良くする中医ダイエットを取り入れてみるのはいかがでしょうか。

 

━━ダイエットには運動と食べ物が大切と言われますが、それをしてもやせないことがあるのでしょうか?

志保先生:はい。あまり食べていないのにやせないというのは、胃腸の氣が少なく、食べたものを熱エネルギーや栄養に変えられない状態です。そのような場合は、胃腸を丈夫にするものや、氣を補う漢方(補氣薬)でダイエットを体の中からサポートしていくといいですね。

基本的に、ダイエットというのは消費カロリーと摂取カロリーのバランスで、消費するカロリーが摂取するカロリーより少なければ太ってしまうわけですが、あまり食べないのにやせないという方は、このような漢方を取り入れてカロリー対策をしてみてはいかがでしょうか?

運動も頑張って、食べ物も控えて、ストレスになりながらもやせないという方は、漢方が心強い味方になると思いますし、体の調子も良くなってくると思いますよ。

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