2017/11/30

寒くなってくると気分が落ち込み、やる気がなくなります。生理も不順です。

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それから、夏には体が自然に温かくなりますし血液も流れているのですが、やはり冬になると夏よりも血液がたっぷり流れていないと温かいと感じません。血液が少ないようなタイプ、例えば夏の間にすごく血液を消耗したり元氣を消耗したりという状態で秋口を向かえてしまうと、血液が少ないタイプはうつうつとしたり生理不順になったりしますね。
体を守ろうとする、血液を外に出さないようにするために生理不順になるということは考えられます。

――このような状態の方は、西洋医学ではどのような対応が考えられますか?

志保先生:おそらく、うつうつとするということであれば、抗うつ剤が出ると思います。その上、生理不順、もしかしたら生理がこない、生理が飛ぶということであれば女性ホルモンが出ると思います。でも、それではおおもとの問題に対処できている訳ではないですね。血液が少ないためにそのようになっているのであれば、漢方では血液を補うような考え方ですね。

以前お話ししたことがありますが、血液が少ないと抗うつ剤は血液の流れに乗ってとても体に効きますので、常に朝から朝までその薬が残ってしまうと、しんどい、だるい、疲れやすいというような、別の問題が副作用として出てしまうことも考えられます。

 漢方は身体の中に目を向ける

――では、漢方ではどのように対応するのでしょうか?

志保先生:はい。例えば、「血虚(けっきょ)」といって血液が無い場合は補血薬です。あるいは「脾氣虚(ひききょ)」というのですが、胃腸の元氣が無くて食べたものが消化吸収できなくて血液が足らなくなってしまった場合は、胃腸の元氣が出るような漢方薬をもっていったりします。
どうしてその人は血液が足りなくなったり、冷えているのか、元を正しながら原因を紐解いて漢方薬をお出しします。

――冷えや落ち込んでやる気が無いというのは、何となく気分のように感じそうですが、それは表面に出ている状態ととらえるのですね。

志保先生:そうですね。昔はよくスポーツでも、「根性だ」とお尻を叩くような訓練をしていたと思うのですが、やはりどうしてもやる氣が出ない、学校に行きたくない、頭痛がするなどの状態は、気持ちの問題ではなく病が中にある可能性があります。

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