―― 本日のご相談は「少し前から何かが喉につかえているような氣がして、病院に行きましたが異常は見つかりませんでした。もしかして、これはうつですか?」というものです。
志保先生:はい。このような方はけっこう漢方堂にもおいでになります。特に春の時期にはこのような方が多いです。
喉に何か突っかかった感じがあって「ウウン、ウウン」とするのですが、なかなか取れないだとか、咳が出るわけではないのですが、何か喉の辺りがおかしい。病院でも異常が無いと言われて、どうにも困って漢方薬局に辿り着く方がいます。
これは、漢方ではちゃんと病名がありまして「梅核氣(ばいかくき)」と書くのですが、「梅の種が引っかかっていますよ」みたいな名前がつけられています。
人によって感じ方はいろいろで、咽がふさがる感じとかむずむずするとか、せき払いしたいような氣持ちとか色々な表現をされます。
精神科などでは昔から「ヒステリー球」という言葉もあるのですが、これは漢方で言うところの「氣滞(きたい)」といって、氣が滞った状態です。
精神的にすごいストレスを感じたり、すごい怒りや悲しみがあると、呼吸が浅くなったり胸が苦しくなったりした経験が、もしかしたらある人がいるかもしれませんね。
そのような状態が長く続くと、喉の辺りが引っかかる感じがする、ストレスによって氣が滞った状態になります。
医学的にいうと、細かい氣泡のようなものが喉に付いているとか、精神的緊張により咽の筋肉が収縮し、せばまるということも聞いた事があるのですが、漢方的には氣が滞っていると考えます。
これってうつ?
―― うつかもしれない、という点はいかがですか?