―― 今回のご相談は「お酒を飲むとアトピーが悪化してしまいます。我慢しないとダメですか?」というお悩みです。
志保先生:お酒は飲み方によって楽しいものになったり、「酒は百薬の長」という言葉が『漢書(かんじょ)』にも載っているように、薬の中でも最も優れたものであると言われてもいますね。
けれどアトピーの方は「血熱(けつねつ)」といって表皮に熱を持っている方が多いです。なので、お風呂に入ると全身がかゆくなる事がよくあります。血行が良くなって体に熱を持ち出すと体がかゆくなります。
お酒の1つの作用として血流促進、血行を良くして血液循環を良くするような作用があるので、お風呂に入った時と同じような効果があり、体が温まってかゆくなることがあります。そのため、アトピーの方は、お酒を飲まれてかゆみが増すことが多いのではないかと思います。
これはお酒だけではなく、唐辛子や香辛料などの辛いものを食べた時も同じで、体がポッポと熱感を持ち血流が良くなると体がかゆくなります。
そして、基本的にお酒は、アルコールを飲める方については「百薬の長」なのですが、アルコールはホルムアルデヒドというものになって毒になるとという面もあるので、お酒を飲めない方はお止めになったほうが良いと思います。
また、歳を取るとともに肝臓の解毒力も弱まってきます。若い時よりも酔いが早くなったというのは、やはり臓器の重量も歳とともに減ってくるので解毒ができにくくなっていくからです。
お酒との向き合い方
―― なるほど。
志保先生:それで、何かしら病気になった時というのは、病気を癒すほうに血液を使いたいのですが、例えば、アルコールをたくさん飲めば解毒にたくさん血液を使わなければいけない、たくさんご飯を食べれば、胃腸での消化に血液を使わなければなりません。