2017/12/12

イライラしてなかなか寝付けません。

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このような不眠は漢方でいう「心腎陰虚(しんじんいんきょ)」という不眠のタイプなのですが、この心(しん)に対する潤いが足りないことによって、心臓が安心できなくなり、心臓が興奮すると考えられます。

そうするとイライラと不眠になって、動悸がしたり不安感が出たりする方がいらっしゃいます。そういう時に心臓が興奮することを漢方的には「心火(しんか)」、心臓に火がともるという言い方をします。

この「心火」、心臓にともった火を落ち着かせるような「安神作用(あんじんさよう )」として、ちょっと気持ちを落ち着けて、心臓を潤すような漢方をもっていくことがあります。

 イライラは気持ちのせいだけじゃない?

―― すると、イライラは気持ちの問題のように思えますが、実際は、心臓の状態の影響かもしれないのですか?

志保先生:そうですね。例えばストレスになるような人が近くにずっといて、ストレスがずっと加わっている状態ですと、やはりいろいろと脳で考えることになり「陰液(いんえき)」というものが消耗しますので、長い間そのような状態ですと心臓が安心できなくなってしまいますね。

―― 原因にさらされ続けていると、段々と体調が変わってきてしまう、ということなのですね。

志保先生:そうですね。前は眠れていたのに、眠れなくなってしまったなどという方はいらっしゃいますよ。

イライラして眠れないというタイプではないのですが、「虚症(きょしょう)」によるもう1つの不眠に「心脾両虚(しんぴりょうきょ)」といって、心臓と胃腸の元氣がなく、血液が足りない状態で眠れないタイプの不眠の方がいます。

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