志保先生:はい。そうですね。鎮痛剤ですと痛みはその場で消えるかもしれません。慢性の頭痛持ちの方は必ずといっていいほど鎮痛剤を服用しています。
ただし、痛みは消えるかもしれませんが、その方の血液の滞りはどうなっているだとか、その方の体が冷えている、血行不良などはかかわりなく、痛みという発痛物質だけを止めています。
それを繰り返しているうちに、もしかしたら未病ではなくて、病になってしまう可能性もあります。
頭痛というのは何かのサインですから、是非、サインの時点で対処してもらえば、大きな病気にならなくて済むのではないかと思いますよ。
―― 漢方の場合、頭痛はどのように対応していくのですか?
志保先生:はい。頭痛はお話しました通り瘀血(おけつ)ですので、基本は「活血化瘀薬(かっけつかおやく)」といって、めぐりをサポートするような漢方薬をお渡しするようにしています。
なので、血管や血液、要するに体の中から働きかけるようなものですから、そのようなものを飲んでいくうちに、頭痛薬に頼りすぎることがなくなるかもしれません。
―― 日常生活で気をつけると良いことはありますか?
志保先生:日常生活で対応しようと思ったら、例えば、寒邪といって寒さによって瘀血(おけつ)になっているのであれば、体を冷やすような飲み物、食べ物は食べないようにすることですね。例えばこたつに入ってアイスクリームを食べるなどは避けた方がいいですね。
若い子に多いですが冬でもミニスカートをはいている、これはとても体を冷やす原因ですので、やはり、着るものにも気を付けるなど、日常生活の中で体を冷やさない努力が必要だと思います。