志保先生:原因は、月経先期、月経後期、月経先後不定期によって、それぞれ違います。
例えば、周期が早まる月経先期のタイプに多いのは、「血熱(けつねつ)」といって、体の中に少し熱感を持っているタイプです。あとは、「氣虚(ききょ)」といって、元氣不足も考えられます。
血熱というのは体内に熱を生じている状態で新陳代謝が過剰なので、生理が早くきてしまう。氣虚というのは、氣は水道の蛇口をキュっと閉めるような力を持っているのですが、この氣が足りないと、氣漏れした感じで早く出血が起こってしまう。そんな方が月経先期と言われる原因かもしれません。
月経後期といって、周期が遅れるタイプの場合は、材料不足の場合がとても多いです。これは「氣血両虚(きけつりょうきょ)」といって、氣も血液も足りていない状態です。
足りていないと人間の体は自分を守るほうが先ですので、出血を遅らせます。すると、周期が遅くなってしまいます。
「月経先後不定期」といって生理が早くなったり遅くなったりするタイプは、だいたい「氣滞(きたい)」と言って、氣が滞っていてストレスが多いタイプで、生理が早くなったり遅くなったりします
タイプごとに漢方は対応
―― するとご相談の方がどのタイプの生理不順なのかによって、漢方での対応も変わるのですね?
志保先生:そうですね。例えば、月経先期の方では「涼血薬」といって熱を冷ますような漢方薬や「補氣薬」など氣を補う漢方薬があります。
また、材料が足りない方の場合は「補氣補血(ほきほけつ)」といって、氣や血液を補うものを持っていきます。