―― 脳に血が足りないかもしれない、という見方は自分では気づくのが難しそうです。
志保先生:そうですよね。でもそのような状態になる前には、必ず前兆があると思います。
例えば、手足が冷えて冷えてしょうがないだとか、前に比べて疲れやすくなっただとか、女性であれば生理が不順になる、周期が長くなるなどですね。
病院に行く程ではないかもしれませんが、ちょっとした体の不調があると思うんですね。それを「歳だからしょうがない。」などと放っておかないことですね。
漢方堂に来られるお客様は、皆さん、ひどい病気になる前にちょっと違和感があるのですが、歳をとれば感じるものでもあるので、「歳だからしょうがないんだと思ってた」と言われる方が結構いらっしゃいますよね。
ですから、ちょっとおかしいという状態を老化ととらえずに、早め早めに相談していただくと良いと思います。
貧血と漢方の「血虚」との違い
――小さな不調を年齢のせいだと見過ごしてしまうと、やはり大きな病気につながってしまうこともあるのですね。
志保先生:そうですね。たとえば漢方でいう「血虚(けっきょ)」という状態は、病院では貧血とは出てきませんので、病院に行っても病気だとは言われないですよね。